伊良部総合病院の地下にある神経科。そこにいるのは、患者に注射を打つのが大好きで、何を考えているのか分からない精神科医・伊良部一郎です。跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、先の尖ったものがこわくなったやくざ、ボールを投げられなくなったプロ野球選手。悩みを抱えた患者たちが、伊良部の破天荒な治療に振り回されていきます。『イン・ザ・プール』に続くシリーズ2作目で、5つの短編が入っています。
「何も考えずに楽しく読める」という感想がとても多い本です。伊良部のめちゃくちゃさに笑っているうちに、患者が自分で悩みのもとに気づいていく。その流れが気持ちよくて、読み終えると少し心が軽くなった、という人がたくさんいます。好きな話としては「女流作家」や「ホットコーナー」の名前がよく挙がっていました。
前作『イン・ザ・プール』のほうが面白かった、という声もあります。続けて読むと、話の型が似てくると感じる人もいるかもしれません。疲れているときに気軽に読む本として、長く人気があります。
ブクログには2万人以上が本棚に登録しています。第131回は、熊谷達也『邂逅の森』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。