秋田の貧しい農家に生まれた富治は、熊を狩る山の猟師、マタギになります。ところが地主の娘と恋仲になったことで村を追われ、鉱山で働く身に。それでも山を忘れられない富治は、やがてふたたびマタギとして生きる道を選びます。大正から昭和のはじめにかけての話です。
評価はかなり高く、マタギの世界の迫力に圧倒された、という感想がずらりと並びます。雪山での狩りの場面、熊と向き合う瞬間の緊張感。数ページで富治の人生に引きずりこまれた、という人もいます。方言の会話が、話に厚みを持たせている、という声もありました。
性の描写が多すぎると感じた人がいます。先の展開が読めた、富治に感情移入しにくかった、という声もありました。それでも、山の暮らしと人の一生をまるごと描いた骨太な話として、読みごたえのある一冊だという評価が多数派です。
ブクログに300件を超える感想があり、評価は4点台です。第131回は、奥田英朗『空中ブランコ』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。