戦国時代の終わり、石見銀山。父母とはぐれた少女ウメは、山師の喜兵衛に拾われ、銀を掘る坑道の中で生きていくことになります。女が山に入ることを嫌われる世界で、ウメが大人になり、恋をし、多くの死を見送っていく話です。
感想でいちばん多いのは、文章の美しさです。坑道の暗さ、湿った空気、銀の光。五感に訴えてくる描写に引き込まれた、という人が多く、重い話なのに読むのが止まらなかった、という声もあります。ウメのしぶとさ、強さに心を動かされた人が多く、「生きることの苦しさと官能を描いた本」という受け止め方も見かけました。
読むのに体力がいる本だ、という声はよく出ます。暗い場面や別れが続くので、気持ちに余裕のあるときのほうがいいかもしれません。先の展開が読めた、という人もわずかにいますが、全体の評価はかなり高めです。
ブクログでは3,000人以上が本棚に登録していて、評価は4点台です。第168回は、小川哲『地図と拳』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。