星や星座をモチーフにした5つの短編が入っています。「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随に」。どの話にも、大切な人を失ったあとの寂しさがあり、コロナ禍の日々が静かに背景に流れています。
「ずっと寂しいのに、読んでいて心地いい」。この矛盾した感じを挙げる人が多いのが、この本の特徴です。すぐに希望が見えるわけではないけれど、暗いところに小さな光が見える。夜空の星と同じ距離感で、登場人物の悲しみに寄り添っている、と受け止める人もいます。
好きな話としていちばん名前が挙がるのは「真珠星スピカ」でした。亡くなった母親が幽霊になって娘のそばにいる話で、ここで泣いた、という感想をよく見かけます。
結末をはっきり書かない話が多いので、すっきりしなかった、心をつかむ強さが足りない、と感じた人もいます。大きな事件より、気持ちの揺れを丁寧に追いたい人向けの短編集です。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。