戦国の世を舞台にしながら、主役は武将ではなく職人です。どんな攻めにも破られない「最強の楯」、つまり石垣をつくろうとする石積みの職人・匡介。一方で、どんな城も落とす「至高の矛」、鉄砲で戦を終わらせようとする鉄砲職人・彦九郎。秀吉が亡くなったあと、琵琶湖のほとりの大津城で、二人の技がぶつかります。
「職人が主役の戦国小説は新鮮だった」という声がとても多く、石を積む技術の細かさや、仕事にかける誇りに胸が熱くなった、という感想が並びます。後半の大津城の攻防は、手に汗を握って一気に読んだ、という人がほとんどです。登場人物がみんな格好いい、という素直な感想もよく見かけました。
とにかく分厚い本です。読み終えるのに何週間もかかった、字が小さく難しい漢字が多い、という声はあります。ただ、内容への不満はあまり見当たりません。長い歴史小説に挑戦してみたい人の、最初の一冊にもなりそうです。
ブクログに700件を超える感想があり、評価は4点台と高めです。第166回は、米澤穂信『黒牢城』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。