舞台は南太平洋のボラ・ボラ島。「DTOPIA」という恋愛リアリティショーの撮影で、ミス・ユニバースの女性をめぐって、各国から集まった10人の男性が競い合います。その番組の外側と内側を、語り手の視点が行き来していく話です。
映像を見ているような場面の切り替えがあって、「一晩で読んでしまった」と言う人もいます。番組として作られた「見せる現実」と、画面に映らない出来事のずれが、読み進めるほど気になってくる。何が本当なのか分からなくなる感覚そのものを楽しんだ、という感想もありました。
評価ははっきり割れていて、低めに付ける人も多い本です。詰め込まれた題材が多く、散らかって見えた、恋愛リアリティショーの軽さと重い話がうまくつながらなかった、という声があります。文章が説明をあまりしないので、人物の姿がつかみにくかった、という人もいました。合う人には強く刺さり、合わない人には最後まで遠い、そういうタイプの作品です。
ブクログには450件を超える感想が寄せられています。同じ回(第172回)は、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。