19歳の北町貫多は、中学を出てから、港の冷凍倉庫で日雇いの力仕事をして暮らしています。友だちもお金も恋人もない。劣等感とやり場のない怒りを抱え、稼いだお金はすぐに酒や遊びに消えていく。そんな貫多の、希望の見えない日々を描いた私小説です。後の時代の貫多を描いた短編も一緒に入っています。
生々しくて人間くさい、という感想が多い本です。ろくでもない主人公なのに、なぜか目が離せない。卑屈さや情けなさを、ここまでさらけ出して書けるのか、と驚いた人がたくさんいます。古めかしい言葉づかいの独特な文体を気に入った、という声もありました。
貫多のだらしなさや下品さに嫌悪感を覚えた、という声もはっきりあります。女性にはすすめにくい、と書いている人もいました。好き嫌いがはっきり出る本ですが、はまる人はほかの作品まで追いかけています。映画化もされました。
ブクログでは5,000人以上が本棚に登録しています。第144回は、朝吹真理子『きことわ』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。