京都の外国語大学。ドイツ語のスピーチコンテストに出ることになったみか子は、課題の『アンネの日記』の一節を暗記しようと、何度も何度も繰り返しています。ところがそのころ、指導する教授とある女子学生をめぐって黒いうわさが流れ、「乙女」を自負する学生たちのあいだに動揺が広がっていきます。
さらっと読むとコメディ、丁寧に読むと怖い小説だ、という感想が印象に残ります。女子学生たちのうわさ話のばかばかしさと、アンネ・フランクの日記に書かれた現実が、みか子の中で重なっていく。その構成がうまい、という声がたくさんあります。短いのに、中身はとても深い、という受け止め方です。
抽象的で分かりにくい、という声もあります。教授が大切にしている人形や、学生たちの中心にいる「麗子様」など、謎めいたものが多く、どう受け取ればいいか迷った人もいました。短いので、一度読んでから気になった場面を読み返すのがおすすめです。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。