川辺の田舎町に暮らす17歳の遠馬。父は、女性を殴らずにはいられない男です。家を出ていった母は、近くで魚屋を営み、右手が義手。遠馬は、父の血が自分にも流れていることにおびえながら、恋人との関係に向き合っていきます。
生々しく、細かく書きこまれた描写に圧倒された、という感想が多い本です。暴力と閉塞感の中で、血のつながりから逃れられない苦しさが描かれている。最後の場面で一気に何かが解き放たれるような感覚があり、そこで泣いてしまった、という人もいました。
評価はかなり割れています。気分が重くなって読み進められなかった、何が言いたいのか分からなかった、という声が少なくありません。暴力や性の描写が多いので、苦手な人は避けたほうがいいかもしれません。映画化もされています。
ブクログに350件を超える感想があります。第146回は、円城塔『道化師の蝶』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。