旅先での読書をめぐる話から始まって、いくつもの言葉を渡り歩いて書き続ける謎の作家「友幸友幸」と、その作家を追いかける資産家A・A・エイブラムスをめぐる話が、形を変えながら続いていきます。
好きだという人は、言葉の使い方の緻密さと美しさを挙げています。話がまっすぐ進まず、いくつもの層が折り重なっているような作りそのものを楽しんだ、という声もありました。文章を読むこと、書くことそのものがテーマになっているような、不思議な小説です。
「話として読んでいけるのだが、一体何を読まされているのかよく分からない」。そんな感想がとても多く、評価ははっきり分かれています。起承転結のある話を求める人には向きません。言葉のパズルや仕掛けを面白がれる人には、ほかにない読書体験になりそうです。
ブクログでは2,000人以上が本棚に登録しています。第146回は、田中慎弥『共喰い』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。