江戸時代の大坂・道頓堀。のちに浄瑠璃作者・近松半二となる穂積成章が、父から近松門左衛門の硯を譲り受け、人形浄瑠璃の世界にのめりこんでいく話です。題名にある「妹背山婦女庭訓」は、半二が書いた代表作の名前です。
読んだ人がまず挙げるのは、語り口の気持ちよさです。関西弁がそのまま地の文に流れこんでくるような文章で、読んでいるうちに道頓堀の芝居小屋のにぎわいに巻き込まれていく。何かに取りつかれたように浄瑠璃を書き続ける半二の熱に引っ張られた、という感想が多いです。浄瑠璃や文楽を見てみたくなった、という人もちらほらいます。
ページがぎっしり詰まった文体なので、読むのに疲れたという人もいます。話の進みがゆっくりしているところもあり、浄瑠璃にまったく興味がないと入り込みにくい、という声もありました。題材に少しでも惹かれるなら、ぜひ手に取ってほしい本です。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。