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作家が選ぶ、エンターテインメント小説の賞
月と蟹

月と蟹

道尾秀介 著 / 文藝春秋

家にも学校にも居場所がない小学生2人が、ヤドカリを神様に見立てて願い事をする遊びを始める。子どもの心の暗い部分まで描いた少年小説です。

読者の受け止め方

鎌倉に近い海辺の町。父を病気で亡くした小学5年生の慎一は、転校生の春也と、海で母を亡くした同級生の鳴海と、3人で過ごすようになります。少年たちは、ヤドカリを神様に見立てた秘密の儀式を始めます。願いごとをかなえてもらうための、子どもだけの遊びだったはずでした。

少年たちの気持ちの揺れを描く細かさに感心した、という感想が多い本です。友だちへの嫉妬、大人への苛立ち、言葉にできない寂しさ。思春期の入り口の痛みが、海辺の町の風景と一緒にくっきりと描かれている、という声があります。祖父が慎一にかける言葉が心に残った、という人もいました。

分かれる点

全体に暗く、息苦しい話です。読後にもやもやが残った、という声も少なくありません。道尾秀介さんの名前からどんでん返しのミステリーを期待すると、少年たちの心を追う青春小説であることに驚くかもしれません。

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ブクログに350件を超える感想があります。第144回は、木内昇『漂砂のうたう』との同時受賞でした。

受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。

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