話は、千利休が豊臣秀吉から切腹を命じられた日から始まります。そこから、秀吉、弟子、妻、敵対する者たちと、語り手を変えながら時間をさかのぼり、最後は19歳の若き日の利休にまでたどり着く。利休が肌身離さず持っていた緑釉の香合には、どんな秘密があったのか。
時間を逆にたどっていく構成がうまい、という感想が多い本です。いろいろな人の目から見た利休の姿が少しずつ重なって、一人の人物がくっきり立ち上がってくる。美にとりつかれた利休と、秀吉のぶつかり合いが読みどころだ、という声も目立ちます。歴史小説にあまりなじみがなくても読みやすかった、という人もいました。
男女の場面の描写がしつこく感じた、茶の湯の言葉が難しい、という声もあります。長さもあるので、ゆっくり時間を取って読みたい本です。
ブクログでは4,000人以上が本棚に登録しています。映画化もされました。第140回は、天童荒太『悼む人』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。