在日コリアンの家に生まれた「僕」は、それまで通っていた民族学校を離れて、都内の日本の男子高校に入学します。友だちの誕生日パーティで一人の女の子に出会い、心を奪われる。広い世界へ飛びこもうとする「僕」の青春を、テンポのいい語りで描いた話です。
感想で多いのは、とにかく勢いがあって読んでいて気持ちいい、という声です。けんかっ早くて口が悪くて、でもまっすぐな主人公。ボクシングを教えてくれる父親との関係がいい、という人もたくさんいます。登場人物がみんな、弱さと強さを両方持っている。自分は自分だ、という主人公の姿に背中を押された、という声もありました。
国籍や生まれをめぐる重い題材を正面から扱っているので、読む人によって受け取り方はさまざまです。そのうえで、恋と友情の青春小説として、若い人にもすすめやすい一冊です。
ブクログでは3,000人以上が本棚に登録しています。映画化もされました。第123回は、船戸与一『虹の谷の五月』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。