安土桃山時代の絵師、長谷川等伯の生涯を描いた長編です。能登の七尾で仏画を描いていた若き日の等伯(信春)は、京へ上って絵師として名をあげることを夢見ています。けれど戦乱の世に振り回され、家族を抱えながら、何度も思うようにならない目にあいます。
読んだ人が心を動かされているのは、等伯が一歩ずつ絵師として育っていく姿です。懸命に生きる姿がいい、読みごたえがあった、という声が多く、七尾から比叡山、京へと移っていく道中の風景に旅情を感じた、という人もいます。織田信長の存在感の大きさを印象に残している人もいました。長く連れ添った妻の病をめぐる場面は、多くの人が心に残る場面として挙げています。
上下巻の長い物語で、ところどころ話の流れが重く、読み進めにくいところがあった、という声もあります。国宝『松林図屏風』を描いた画家を知っている人なら、そこにたどり着くまでの道のりとして楽しめそうです。
ブクログに感想が寄せられています。第148回は、朝井リョウ『何者』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。