どこにでもありそうな町に暮らす女性たちを主人公にした、5つの短編です。「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」。盗み癖のある転校生の母親、婚期を逃しかけた女性の焦り、子育てに追い詰められた若い母親。ほんの少しの心のすきまから、彼女たちは事件のすぐそばへ踏み出してしまいます。
人の心の奥に潜んでいる感情を、細かく描き出している、という感想が多く見られます。登場人物たちはどこか身近で、だからこそ怖い。育児に疲れた母親を描いた「君本家の誘拐」や、夢を追う恋人に振り回される「芹葉大学の夢と殺人」がとくに印象に残った、という声が目立ちました。
「読んでいて気持ちよくはない」という感想もあり、暗さや後味の悪さが苦手な人には合わないかもしれません。辻村深月さんのほかの作品のほうが好きだ、という人もいます。それでも、忘れられない本になった、という声も少なくありません。
ブクログには1万人以上が本棚に登録しています。辻村深月さんは『かがみの孤城』で本屋大賞を受けています。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。