東京のはずれの町で便利屋を営む多田のもとに、高校の同級生だった変わり者の行天が転がりこむ。2人が受ける依頼を通して、町の人間模様が描かれます。
東京の南西にある架空の町、まほろ市。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに、高校の同級生だった行天春彦が転がりこんできます。ペットの預かり、塾の送り迎え、納屋の片づけ。持ちこまれるちょっとした依頼をこなすうちに、二人がそれぞれ抱えてきた過去が見えてきます。
とにかく二人のやりとりが楽しい、という感想がとても多い本です。軽いテンポで読めるのに、親子や家族をめぐる話はずしりと重い。「軽くて濃い」という言い方をしている人もいました。笑いながら読んでいたのに、ふと胸を突かれる場面がある。そこに惹かれてシリーズを追いかけている人がたくさんいます。
二人の過去にもっと踏みこんでほしかった、という声が少しあります。ただ、それは続編で描かれていく部分でもあります。キャラクターの掛け合いを楽しみたい人には、まずこの一冊からおすすめです。
ブクログには2万人以上が本棚に登録しています。映画やドラマにもなりました。第135回は、森絵都『風に舞いあがるビニールシート』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。