主人公は27歳のタクシー運転手。幼いころに親に捨てられ、引き取られた先の親戚の家で、ひどい扱いを受けて育ちました。土の中に埋められたときの記憶は、いまも頭から離れない。大人になった「私」は、その記憶に引きずられるように、自分から危ない目にあいにいってしまいます。
子ども時代の傷が大人になっても続いていく、その心の動きがとてもリアルに描かれている、という感想が多い本です。ずっと暗い話なのに、最後にわずかな光が見えて、その救いがかえって強く胸に残った、という声もあります。「後ろ向きすぎる応援歌」という言い方をした人もいました。
暴力の描写がつらく、読んでいて気が滅入った、という声は少なくありません。重さに見合う痛みが伝わってこなかった、という厳しい意見もありました。心に余裕があるときに読みたい本です。中村文則さんの作品では『掏摸』『教団X』などもよく読まれています。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。