とうにばらばらになっていた家族が、ある映画の撮影のために、もう一度「家族」として集まることになります。カメラの前で家族を演じる父、母、姉妹。それぞれが自分の都合と思いを抱えたまま、ぎこちない時間が流れていきます。表題作のほかに「真夏」「潮合い」が入っています。
もうばらばらになってしまった家族でも、心のどこかでつなぎとめたいと思ってしまう。そんな気持ちを受け取った、という感想が見られます。硬質な心理描写や、風景の描き方のうまさ、観察眼の鋭さを評価する声もありました。
評価は低めに出ています。意味が分からない、話についていけなかった、という声が多く、設定に現実味を感じられなかった、という人もいました。家族との関係に複雑な思いを抱えている人ほど、何かを感じ取れる作品かもしれません。
ブクログに感想が寄せられています。第116回は、辻仁成『海峡の光』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。