昭和30年代の終わりごろ、東京・高円寺の北口商店街。乾物屋「江州屋」の一人息子・正一は、両親と祖母と暮らしながら、店の手伝いをして毎日を過ごしています。商店街の人たちとのかかわりを、正一の目から描いた連作です。作者のねじめ正一さん自身の実家も、高円寺の乾物屋でした。
「温かくてほっこりする読後感がたまらない」という感想が多い本です。昭和の商店街の人情や、乾物屋の暮らしの細かな描写が懐かしい、という声が並びます。鰹節を削る音や、店先のにぎわいまで聞こえてきそうだ、という人もいました。
はっきりした否定の声はあまり見当たりません。銭湯の話の描写が少し苦手だった、という人がいたくらいです。大きな事件は起きないので、昭和の町の暮らしをのんびり味わいたいときに向いています。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。