第二次世界大戦の終わりごろ。山あいの村に、敵の飛行機が墜落し、黒人の兵士が捕らえられます。兵士は村で預かられることになり、主人公の少年の家の地下倉に閉じこめられる。はじめは恐れていた少年たちは、しだいに兵士に近づき、奇妙な親しさが生まれていきます。文庫では、表題作「死者の奢り」ほかと一冊になっています。
圧倒的な文章の美しさを挙げる人が多い本です。夏の村の暑さ、匂い、子どもたちの興奮が、息苦しいほど細かく描かれている。心の動きの描き方が深く、読み終えたあとに揺さぶられるような余韻が残った、という声がありました。じわじわ追いつめられていく感じがする、という人もいます。
文章が難しく読みにくい、全体が暗くて閉塞感がある、という声もあります。湿った空気の描写に生理的な不快感を覚えた人もいました。大江健三郎さんの作品を初めて読む人の入り口としても、よく選ばれている本です。
ブクログでは5,000人以上が本棚に登録しています(『死者の奢り・飼育』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。