29歳のナガセは、前の職場で上司からひどい扱いを受けて辞め、いまは工場のラインで働いています。ある日、工場に貼られたポスターで、世界一周の船旅の費用が、自分の1年分の手取りとほぼ同じだと気づく。その日から、ナガセはこつこつとお金を貯めはじめます。
「読むと心が軽くなる」「働くことを肯定したくなる」。そんな感想が並ぶ本です。大きな事件は起きないけれど、毎日の仕事や、友だちとのささやかなやりとりの中に、小さな希望が見えてくる。淡々とした文章が、かえって心に響いた、という声が多いです。
一緒に入っている「十二月の窓辺」は、職場でのいじめのような扱いを描いた話で、読むのが息苦しかった、という声がとても多いです。表題作のあたたかさとの落差に驚くかもしれません。働くことに疲れている人には、表題作から読むのをおすすめします。
ブクログでは5,000人以上が本棚に登録しています。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。