仕事で小田原へ来た「ぼく」は、会う予定の相手と行き違いになり、空いた時間に、大学時代の知り合いの真紀さんの家を訪ねます。ビールを飲み、庭の草むしりを手伝い、とりとめのない話をしながら過ごす、3〜4時間ほどの午後。表題作のほかに「東京画」「夏の終わりの林の中」「夢のあと」が入っています。
「何も起こらない小説」なのに、なぜか面白く読める。そんな感想が多い本です。日常のささいな瞬間を深く掘り下げていく書き方と、人の考えの流れを丁寧に追っていく文章の心地よさが評価されています。
筋らしい筋がないので、何を読めばいいのか分からなかった、という人もいます。小説に事件や展開を求める人には向きません。休日の午後に、ビールでも飲みながらゆっくり読みたくなる本です。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。